懐かしのズーク

osamuharada2011-10-25

夏のPARIS土産に【ZOUK】のCDいくつかを買ってきた。以前ココに書いてから、早いもので六年もたっている。→[id:osamuharada:20050716]
最近のズークは、黒人特有のラップが混じったものがほとんどで、それもクレオール語(フランス語の混血)だから、なんだかだらしないラップに聞こえる。特に今の男性シンガーは、最早どこにもズークらしさがなくなっているような気がする。カリブ海の島の風土が失われて、スラム化している感じかな。女性歌手の場合は【ZOUK LOVE】の伝統を保持したスタイルがまだ多いようで、新曲といっても、ぼくにはすでに懐メロを聴いているような感じがしてきちゃう。ズーク全盛期は、四半世紀も昔のことだったのか、とあらためて思い至った。
今年のヒット曲集のようなアルバム(古いね)をいくつかと、昔のヒット曲コンピレーションを10枚ほど買ってきたので聴いているけれど、やはり昔のモノのほうには明るい輝きがあってズークらしい。ユッタリと南の風に吹かれて、リズムに揺れる感覚が心地よい。'80年代後半にパリで流行ったダンス音楽だから、当時流行のアレンジがいまやとても野暮ったい。しかしそこも懐メロっぽくて逆に面白いともいえるかな。
パリのレコード屋(古いね)というか、CD屋はネット時代になって風前のトモシビ状態だったから、いずれそのうち無くなってしまうのだろう。やがてはカフェ付き古本屋に似た、趣味の古CD屋にでもなるのかな。【ズーク】自体も、いまや古めかしくてダサい歌謡曲になったことだし丁度いいね。そしていつか、近未来パリのアンティック屋あたりで、物好き相手に珍品として売られるようになるのでしょう。
しかし今聴いても、JOELLE URSULLの歌う SANTIMAN KASE や、MAL、MIYEL、AMAZONなどという曲が好きだな。八代亜紀ばりのハスキーヴォイス。忘れかけていた遠い夏の日をちょっとだけ思い出す。