煎茶とカヌレ

osamuharada2011-08-06

朝の煎茶。これだけはどこへ行っても欠かせないので、茶葉はパリへも持参しています。永年の生活習慣だからしょうがないよね。さて今年は、静岡の新茶も当然ながらかなり汚染されているだろうと、最初っから予測していたので、3.11以前に摘まれていた茶葉をまとめ買いしておいた。それに、静岡がダメでも、熊本や鹿児島、屋久島など茶の名産地は他にいくらもある。煎茶の「買占め」をしてるんだよ、と人に言っても、どうでもよいのかあまり非難されないのは助かる。パリでも、ボン・マルシェで煎茶を買ってはみたが、まあまあイケる。というわけで、こちらでも朝の一服、ノンビリと煎茶をたしなんでいます。
小ぶりの急須は手に入らなそうだなと考え、使い捨ての安物を持ってきています。しかしウッカリ茶碗を持て来なかった。マグカップや紅茶茶碗では、やっぱり美味くは感じない。だいいち大きすぎてダメなのだ。コレは何とかせねばいかんと思っていたところ、ある日カフェ・ド・フロールへ行った後に、隣の La Boutique du Café de Flore という気どった土産屋のウィンドウで、この茶碗が目にとまった。ほんとは何に使うものなのか? 判然としないまま、サイズと白地という条件をクリアしているのでまあいいや、と一つだけ購入。これでなんとか急場をシノゲそうだ。
前に書いたけれど、パリで煎茶の茶ウケには、パン屋で売っている安物のメレンゲがある、とまた探してはみたが、今はどこにも無い。ちゃんとした型抜きのものは、お菓子屋にあったが、粉っぽくてどうも気に入らない。駄菓子っぽくザックリしていないとね。で、メレンゲはあきらめて、パン屋のカヌレに鞍替えしてみたところ、これも「あまり甘くない甘い物」好きにはピッタリだというのがわかった。煎茶に、よく合う。特に小型のもの一個が丁度いい。日持ちしないのが難点だけれど、いろいろ試して、まあだいたいどこのパン屋や菓子屋のでも美味いと思う。ボルドーへ行ってきた人が土産にくれたこのカヌレは、なんでもカヌレの元祖の店だという。やはり伝統のものらしく、古風な味わいがあり、甘さは押さえていながら風味がある。カヌレは十年くらい前に日本でブームになったと聞くが、日本人は飽きっぽい性格なのか、もう人気はないそうだ。かわりにワル甘いマカロンが流行りらしく、パリのどこの店頭にも並んでいる。これぞ現代「おフランス」という感じだな。みた目もハデで恥ずかしい。煎茶には砂糖がキツ過ぎてまったく合わないが、また、どふでもよゐ話でしたね。