PARISのヌイグルミ犬

osamuharada2011-01-24

三〇年ほど前、パリで買った犬のヌイグルミ人形。青いガンクラブチェック風の生地のズボンをはいているところが、ひと目で気に入りました。当時オサムグッズでもコレを参考にして、犬と猫のヌイグルミ人形を二種つくったことがある。拙著【 OSAMU GOODS STYLE 】の、125頁の犬がそれ。残念ながらオリジナルの生地がつくれなかったので、ストライプ柄の有りモノ生地を使用しています。メイド・イン・フランスの、パリ犬のほうは、やがて参考資料としての公式業務が済んでしまうと、まだ幼かった娘に与えられ、子供用のオモチャとして民営化されていました。
すっかり忘れてしまっていた、このヌイグルミのパリ犬に、ゆくりなく再びめぐり会えたのは、孫の乱雑なオモチャ箱の中でした。新しいオモチャたちと一緒になって、この古い犬も混じって入っていたからです。懐かしさのあまり、思わず取り出して写真に撮りました。しばらく眺めていると、三〇年前のパリでの出来事や風景までが想い起こされて、トシガイもなくこの犬に離れがたい郷愁を抱いてしまいましたよ。うまい具合に、娘の時とは違って、孫は男の子らしく車や飛行機などのオモチャが好きで、人形にはほとんど興味がないらしい。それで、もうしばらくして御用済みになった頃を見はからって、こちらで引き取らせてもらうことになりました。人気がないまま捨てられちゃうのは可哀そうだしね。多分、この犬は島のアトリエの片隅に置かれて、老人と一緒に海を眺めたりすることになるのでしょう。それがこのパリ犬の「TOY STORY」。