今そこにある危機

osamuharada2010-12-20

ちょっと前まで、エコだ、CO2削減だと大宣伝をしたあげく、一年前から、おっけ晴れて始まった原発プルサーマル運転。今月の9日に、とうとう九州電力玄海原発が故障のために緊急停止をした。マスコミは、わざと最小限の報道しかしないので、誰も気にしちゃいない。放射能漏れがあったのかなかったのか、目には見えないから誰にもわからない。関西電力では予定通り明後日から、初めて高浜原発が恐怖のプルサーマル運転を開始するという。関西では誰にも気づかれないように、タコ焼き屋のニュースばかりやってごまかしていた。マスコミの大スポンサーは電力会社だからどうしようもない。
1986年のチェルノブイリ爆発事故の後、世界的に原子力産業は斜陽になっていたのが、日本ではエコ広告で洗脳して、クリーンエネルギーという嘘で復活させた。広瀬隆さんの近著によると、≪民主党政権は、これを強力に支援して、自民党政権時代より猛烈な原発推進の姿勢を打ち出している。冬の時代を乗り越えた原子力産業が、春の陽光を浴びて、このあと二〇年内には、夏の果実を実らせるかのような錯覚を日本人が受けている。≫ 
そんなにまでして金儲けしたけりゃ、勝手にやってろよといいたいところだけど、ひとたび原発事故がおこれば、こっちまで壊滅させられちゃうわけだからたまらない。広瀬さんの本は、日本の地震原発の関係に言及しているので、天災+人災という、日本が抱えている最大の問題提起がなされている。≪原子力産業が突進しようとしているこの先には、まったく報じられない、とてつもなく巨大な暗黒時代が待ち受けているのだ。その正体は、想像したくもないが、人知のおよばない地球の動きがもたらす「原発震災」の恐怖である。≫ これは、国防だの経済不況だのより、真っ先に考えなきゃならない問題ですね。しかしながら、今そこにある危機なのに、誰も気がつかない。マスコミは報道しない。こんなことをブログに書いたって、鬱陶しいと嫌われるだけ。なのについまた書いてしまった年の瀬です。

原子炉時限爆弾

原子炉時限爆弾