石蕗の花

osamuharada2010-11-21

アトリエの私道にも、ツワブキの黄色い花が咲きはじめた。昼すぎて散歩に出ると、その菊のような花々が、どこまでも道ばたの両側に並んで咲いて、まるで芝居の花道のように、ぱっと明るい。 末枯れの季節にも、常緑で艶のある葉は、こもれびに光り輝いている。見あげると木々の枯葉のむこうに、青空が広がっている。
自然の中の散歩は、季節の移り変わりの中を歩いているようなもんですね。時がゆっくり過ぎてゆくのを体感できる。トシのせいかも知れないけれど、飽きることがない。
こういう時には、一句くらい浮かんでもよさそうだが、凡人の悲しさ、思い浮かぶのは久保田万太郎の、石蕗(つわ)の花の句ばかりでした。
  み ま は し て 石 蕗 の 黄 の さ て に ぎ や か や
  石 蕗 咲 け り け さ し ぐ れ た る あ と き え ず
  飜 然 と さ と ら ま ほ し や 石 蕗 の 花