レイトショーで、待ちに待ったミステリー映画『ミレニアム2、3』の二本立てを観てきましたよ。すでに小説のほうを先に読んでいるので、その面白さたるや、とても映像化は無理だろう、とフツーなら思うところだけれど、そんな心配はいらない。先に観た映画『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』が、映画としても傑作だったから、早くその続きのパート2と3を観たかったワケ。原作の読む面白さと違って、映画は映画でまた別の見どころが満載。映像化の時間的制約で、登場人物やストーリーは大はばにカットしてあるけれど、映画的セオリーを駆使して過不足がない。特筆すべきは、何といっても主人公リスベット・サランデルを演じた、スウェーデンの女優ノオミ・ラパスの渋い演技力だろうな。悲惨で複雑な出自を持ちながらも、命をかけて闘う力強いヒロインを見事に具現化してみせてくれた。頭脳明晰なハッカーという、超近代的なサイバー探偵ぶりも板についている。他には考えられない当たり役というべきでしょう。
パート3は、「リーガル・ミステリー」になっている。裁判モノの知的なクライマックスが用意されていて、ここにもカタルシスがある。そして最後の、さりげない幕切れの演出が、なんともカッコいいぜ。大人のためのエンターテインメントとは、まさにコレのことだよ。
ヨーロッパでの大ヒットから、ついにハリウッド映画が『ミレニアム』をリメイクするらしい。しかしこの若きリスベット・サランデル役は、原作どおりの身長150cm、体重40kgという設定に意味があるのだから、果たしてアメリカにコレを演じられる女優がいるだろうか?それに北欧のストックホルムという舞台が、アメリカに変わっちゃたら、この映画の面白さは半減するだろう。 ★映画通の友だちが教えてくれたので[追記] ハリウッド・リメイクはSONYで、監督は『セブン』『ゾディアック』のデヴィッド・フィンチャー。もう一人の主役ミカエル・ニクヴィスト演じるミカエル・ブルムクヴィスト役に、007のダニエル・クレイグ。そしてリスベット・サランデル役は身長160cmのルーニー・マーラ。舞台はちゃんとスウェーデンで撮るそうなので安心した。3部作すべてがリメイクされるそうで、かなり力の入った大作になりそうだ。今から楽しみになってきた。またロードショーへ出かけなくっちゃな。
ココでしかやっていなくて、仕方なく入った渋谷の映画館はガラガラ。ヒトのことは言えないが、オヤジ中心のせいぜい15人位しか入ってないのが情けない。年齢だけは若者の街・渋谷では、誰も関心をしめさないようだ。欧米では空前のベストセラー推理小説で、しかも映画が大ヒットというのにね。でもまあ、すいてて楽チンなところは良かったかな。前回書いたスウェーデンの映画 → [id:osamuharada:20100714]
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