紫色の茶うけ

osamuharada2010-09-13

島では、ヒートアイランドの関東圏より、ひとあし早く秋がやってきた。山桜の葉は黄色く色づいて、夜には秋の虫の大合唱が始まった。ずいぶん長かった今年の夏が終わって、いつになくほっとしたのは、トシのせいもあるかな。
毎日の煎茶にも、何か秋らしい茶請けを合わせてみようかなと、島の地産地消市場で紫芋を買ってきた。沖縄ではよく見たけれど、こっちでは珍しいね。見かけはフツーの薩摩芋と同様ながら、焼いて中身を開くとビックリ、鮮やかな濃紫色が目に飛び込んできた。どうやってもこのデジカメ(安物)では、紫の色彩が出ないんだけれど、実際はコレよりもっと濃い紫色なのですよ。もとより純粋な紫色は、絵具でも、印刷でも出すことが難しい色なのです。紫芋は、品種によっては色素として食品の加工用原料にも使われるそうだから、この食べられる紫色は珍しいのでしょうね。味覚は、黄色の薩摩芋よりも、意外と素朴でクセが無いか。なのにこの鮮やかな紫色というのが個性的で、なんとも不思議だな。茶請けとしての食べ方は→[id:osamuharada:20090914]と同じです。
銀座「東哉」さんの、桔梗の形をした小器に入れて、薄紫に濃紫で合わせてみた。京焼きの茶碗は露芝の図柄。煎茶好きのヤツガレの場合、茶請けには、味覚とともに視覚も大事なのです。これがうまくいくと、清澄の気分になる。小器は桜と同じシリーズ→[id:osamuharada:20100403]