こう暑いと、風通しのよい部屋の中にいてさえ、椅子やソファの座面に当たる体の部分がジトーッと汗ばんでくる。今年はほんとに異常な暑さですね。クーラー嫌いのトシヨリは、家の中にいても熱中症にかかるそうだから、昼下がりは庭の木陰にでも逃げ出すしかない。ハンモックに横たわれば、海からやって来る風が全身を包んでくれるので涼しくなる。空冷式だね。濃いめのサングラスをかけているので、読書はしずらい。それで音楽をでっかい音量で聴くことにしました。真夏は月並みながら、Bossa Nova がいいな。それも歌モノではなく、風が吹くようなサックスの音色が今年の気分だなァ。などとヒマツブシに、お古いところばかりながら、ぼくのオススメ3点ほど。いずれも古きジャズ界の大御所のアルバムばかり。
❶ Cannonball adderley のアルトサックスと、若い頃のSergio Mendes のピアノが絶妙に合う、『 CANNONBALL'S BOSSA NOVA 』1962年。かっこいいキャノンボール・アダレイのサックスは、ストレートにして明るいチャーリー・パーカーという感じがする。爽快感が溢れている。暑い夏には、まずこれが一番。
❷ 男らしく豪快にブローするテナーサックスは、Coleman Hawkins の 『 DESAFINADO 』、これもまた1962年。テナーサックスでは、スタン・ゲッツよりこっちのが好きです。ゲッツがそよ吹く風なら、コールマン・ホーキンスは海を渡る風のごとし。ちなみに、あの大ヒットした『 GETZ/GILBERTO 』1963年 より、二つとも前年に出ていたんですね。
❸ これぞクール!なアルトサックス奏者 Paul Desmond の 『 BOSSA ANTIGUA 』、こっちは1964年。ギターの Jim Hallをフィーチャリングした傑作。ポール・デスモンドの繊細で軽い音色は、冷たい水を渡る風。色で言うならアクアマリン・ブルー。これは間違いなく体感温度がグッと下がりますよ。3点どのアルバムにも、やがてボサ・ノヴァのスタンダードになってゆく曲が、すでに入っている。
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