はやいもので、「パレットクラブ寄席」の菊六落語会も十二回目を迎えます。二ツ目ながら古今亭菊六の独演会をやっちゃおうと思い立った理由は、菊六君のオヤジさんが、中、高校時代ヤツガレの同期生だったという縁もあり、渋谷の「かいりん寄席」(こっちも同期)にて、初めて菊六の芸に一目惚れをしたのが、そもそもの始まりなのでした。
爾来、菊六のレパートリーが増えてゆくのを楽しみに、芸の上達をまの当たりにする喜びを重ねております。昨今のお笑いタレント的な落語家もどきが氾濫する時代に、古典落語ひと筋の若手噺家は稀有な存在でしょう。かつて、古今亭志ん生や桂文楽が高座に再現した江戸や明治大正期の世態人情へと、思いを馳せて演じる菊六の落語会。ご贔屓お引き立てのほどおん願い申し上げいたしまする。 席亭 (図版は小村雪岱)
あ ぢ さ ゐ の い ろ 濃 き あ さ き 宿 世 か な 万太郎
【 第十二回・古今亭菊六落語会 】
6月25日(金) 午後7時開場、7時半開演 木戸銭1500円
本日よりメールにて御予約うけたまわります。 メールは→information@pale.tv
場所・PALETTE CLUB 東京都中央区築地4-11-10 電話03-3542-8099 地図
古今亭菊六ブログ→http://ameblo.jp/kiku6/ 前回のパレットクラブ寄席・菊六落語会→[id:osamuharada:20100208]
26日追記: 昨日もまた満員御礼ありがとう存じます。今回はまず『厩火事』。志ん生、文楽では、髪結いのおさきさんが訴えにゆく相手は、兄貴分でしたが、菊六の噺では旦那になっていました。こういう設定もあるのだそうで、最初はちょっとビックリしましたが、おさきさんの可愛い女房ぶりを、菊六は見事に演じました。 次は『百川』で、これは三遊亭円生の名演で知られた一席。円生没するまでは、封じて他にやる人はいませんでした。菊六は、河岸の若ェもんのおっちょこちょいブリが、すでに板についていたと思います。昨夜は、落語会ウチアゲを、さるビストロにて、ぼくの古い友人たちと一緒にやりましたが、その席上で菊六は声色(こわいろ)の隠し芸を披露。現・市川団十郎の口上の声帯模写が、一同の爆笑を誘いました。いつかパレットクラブ寄席でもと、リクエストをしておきましたので乞うご期待! 次回は、十月一日(金)を予定しております。 席亭