舩木伸児さんの個展

osamuharada2010-05-22

今日が初日の『舩木伸児展』、東横線学芸大学駅からすぐのyuyujinにて、30日まで。 自然光の入る明るいギャラリーは、舩木作品の軽快な色彩をさらに輝かさせていた。イッチン技法によるペイズリー模様と、それを覆う淡黄色の透明釉は、舩木さんのオリジナルで素晴らしい。どこかスペインや中東を想わせて、エキゾチックな感じさえする。むかし初めて舩木さんのペイズリー柄の皿を見たとき、ぼくは一瞬、これが日本人の陶芸家による作品だとは思えなかったのでした。 
江戸時代中期から続く布志名窯ですが、祖父の代にバーナード・リーチ濱田庄司らが来て作陶し、当地の土や釉薬が、英国のスリップウェアに似ているということから、布志名窯は現在のスタイルに変容していったそうです。ただし当時流行の民芸運動には参加していません。民芸ではなく、伝統の上に立つ陶芸作家なのですね。そして現在6代目の舩木伸児さんは、今回の展示でも、さらに独自の新境地を開いていました。無国籍的でありながら、どこか懐かしく、またモダンでもある。もちろん料理を盛ったときに、その真価は発揮される。美しいだけではなく、美味そうで食欲を誘う。それこそが優れた陶器というもんでしょう。 実は7月号の芸術新潮、ぼくのコラムで舩木作品を取り上げる予定なのです。それで今日は、取材&買い物に行ってきました。写真は舩木さんと新作。笑顔の写真が良く撮れたのに、本人が恥ずかしいというので横顔のにした。
『舩木伸児展』 http://ucgi.yuyujin.com/index.htm
前に書いた舩木さん→[id:osamuharada:20091215],[id:osamuharada:20090317]