ハワイの宗教街道

osamuharada2010-04-17

日本のフラダンスチーム団体さんで思い出したけれど、ハワイには、もっとゴッつい宗教関係の団体さん御一行が、日本から大勢おしかけてくる。 
オアフ島中部のハイウェイをドライヴしていた時に、その道沿いにある巨大建築群が、ほとんど宗教団体の殿堂のようなものだと聞いて驚いた。ありとあらゆるアメリカの新旧キリスト教関係の宗派、それに日本や韓国の新興宗教の代表的なものが、ズラーっと街道沿いに軒を連ねている、これはもうビックリ圧巻ですよ! 都築響一さんに取材してもらいたいな。 日本のある宗教団体で、現在はまだ建設中の、白亜の殿堂(この写真)まであった。宗教だから税金を払わなくてすんじゃうしね。以前は高級住宅地だったこのあたり一帯を買い上げているらしい。世界的不況のさなか、宗教だけは景気がいいよね。
ハワイで見たTVでは、毎日24時間放映しっぱなしの、アメリカの新興キリスト教の伝道番組のチャンネルがあった。全米ネットワークで、自前のテレビ局を持っているそうだ。アメリカの全人口のうち、半分を占める白人と、もう半分の有色人種(200種類だったかな?)を相手にするわけだから、さまざまな人種の伝道師が、次々と交代で出てくる。なので見ていてゼンゼン飽きない。かのビリー・グラハムのチルドレンといった感じで、皆やたらと説教がうまい。黒人向けは、さすがにゴスペル風の合唱団が達者だ。若者向けヒップ・ホップ調もある。聖書の読み聞かせが、泣いたり笑ったり怒ったりで、どの伝道師も実にうまい。ドラマチックな解説も分かりやすい。ヒスパニック系女性伝道師は迫力があって、しかも美人なので、思わず入信したくなっちゃうな。
聞くところによると、ある新興宗教団体のハワイ総会が3日間あって、世界中から2万人の信者が訪れ、なかでも日本から来た善男善女8000人の信徒が、最も多かったそうだ。彼らはまる3日間、観光や買い物などにはいっさい目もくれず、殿堂で伝道された(韻を踏んでみました)だけて、すぐに帰っちゃった。観光地ハワイとしては、あんまりいい客じゃないよね。  不況下の日本では、TVやラジオ、新聞、雑誌など、宗教団体が巨額の広告料を払ってくれるから、マスコミにとってはお得意さんと化した感がある。そのうち、いつもアメリカの後を追っかける日本にも、新興宗教専門チャンネルができるだろうか。アメリカと日本の間、太平洋の真ん中にあるハワイは、日米の宗教展示会場のようでもある。みな仲良しなのか、宗教論争が起きないのは不思議な気もするが。