魁星閣の桜

osamuharada2010-04-01

寒い寒い、桜咲く京都へ行ってきました。観光名所の地だけは、どれだけ寒かろうが、どこもお花見客で満員御礼。中国人もアラブ人も繰り出して、毎度のことながらのお祭り騒ぎだ。どちらかといへば落語「長屋の花見」状態か。 京都へは、イラストの学校で通い始めてから、もうマル27年! 今ちょうど27歳になる生徒さんがいたのは感慨深い。それにしてもトシよりの繰り言ながら、やっぱり昔の京都のほうが、古都らしくて良かったね。 いつものホテルが満室でとれなくて、別のところに泊ったが、幸い近所に「虎屋茶寮」が新装開店していたので、朝の煎茶には困らなかった。すいていたしね。
虎屋の近所といへば、我が憧れの天才画家、富岡鉄斎邸の跡もすぐそばで、ひっそりとした通りから眺められる。母屋の隣に、鉄斎が87歳の、大正11年に建てた鉄筋コンクリートの書庫「魁星閣」がある。防火のためだけの、つまらない建築なので味もそっけもないが、当時はこの中に、鉄斎が収集した和漢のあらゆる古典や史書などが納められていた。後に重文指定された文献も多々あり。「万巻の書を読み、万里の路をゆく」鉄斎が、その最終地点としての書庫「魁星閣」。 ここは京都でも、ぼくにとっては、桃源郷にも思える特別の場所なのであります。隣の駐車場から眺めると、「魁星閣」の庭の、桜の大樹が静かに花を開いていました。 運良くこういうお花見ができるなら、やっぱり京都っていい所だな。
富岡鉄斎について書いた「ぼくの美術帖」→ (id:osamuharada:20060330)