小村雪岱特集

osamuharada2010-01-27

芸術新潮二月号「小村雪岱特集」ついに完成いたしました。なんだか肩の荷が下りてホッとしていたところなのですが、さて送られてきた芸新を見ると、習い性かすぐにまた印刷の色が気になりだし、つい自前の原本と照らし合わせて眺めてしまいましたよ。いまさら見たって、もう遅いのにね。 前に「シスレーと印刷」で書きましたが、今月号のほうはおおむね印刷良好!でした。雪岱作品は、もともと木版や凸版印刷などが多いので、それでオフセット印刷の芸新との乖離が少なかったのでしょう。これでまずはひと安心。
写真は、左側のぼくの春陽堂本と、芸新の拡大された見返しとを照合中。鏡花の「遊里集」。芸新の本には右側の窓の外に三日月が描かれていないことを発見!何故だろう?また研究テーマが出てきたかな…。
泉鏡花の他に、雪岱を「めぐるひとびと」と題した章での、個人的に好きな作家たちの出てくる頁が嬉しいな、特に久保田万太郎水上瀧太郎鏑木清方木村荘八といった顔ぶれ。この号で、ヤツガレごときが拙文を書くに躊躇していたのが、小村雪岱については、これら憧れの作家たちが皆々名文を書き残していたからであります。 図々しくも書いちゃって、コレまた遅きに失するけれど申し訳アリマセン。拙文はともかく、図版だけはタップリ載せましょうよ、というぼくの提案を受け入れてくれたのか、今号は雪岱作品の保存版としても、是非お手にとってユックリ眺めていただきたし。
        鶯 や こ ゝ 日 本 橋 檜 物 町   万太郎

芸術新潮 2010年 02月号 [雑誌]

芸術新潮 2010年 02月号 [雑誌]

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