芸新、創刊60周年記念

osamuharada2010-01-06

芸術新潮」という雑誌が創刊されてから60年たったそうです。随分と古いんですねェ。最初の頃は、サイズも小さく、活版の文字主体で文芸誌に近かったらしい。見るよりも読む雑誌。ぼくが読み始めたのは二十代からでした。当時のモダンアート情報は「美術手帖」のほうが早かった気がします。「芸新」のほうは芸術全般にわたっていたようです。「美術手帖」は、今では美大生と受験生の専用雑誌という感じになった。現在の「芸新」読者層は、多分五十代から六十代くらいじゃないかな。新しいモノやデザイン関係より、古美術などの古いモノの特集号が売れてるそうです。ということは一部の富裕層なのかな。ぼくのまわりの六十代は、誰も読んでないもんね。そもそもみんな芸術に関心無いしなァ。イラスト稼業の同業者たちでさえ、モダンアートは好きでも、古美術となると興味は薄くなるようです。
芸新一月号は、創刊60周年を記念しての特大号。テーマは「わたしが選ぶ 日本遺産」です。68人がアンケートに答えて一人5点ずつ選んでいます。ぼくが選んだのは、●長谷川等伯柳橋水車図屏風》 ●富岡鉄斎《富士山図屏風》 ●岸田劉生《麗子住吉詣之立像》 ●法隆寺百済観音像》 ●十一代目団十郎の歌舞伎《助六由縁江戸桜》です。  (写真はその見開き頁)図版は等伯の、柳に橋の絵で、実物の屏風一双は左右7mくらいあります。
ぼくが選んだのは、お古いところばかりでしたが、この特集は芸術にかかわらず、日本のモノなら何でもOKだったのです。この前の頁は、カトリック聖歌の日本版の楽譜。次頁は(あいうえお順なので)ビートたけしさんが選んだ、なんとジャイアント馬場(リング上で何故か女の着物を羽織っている写真)ですよ。ワタシはちょっと生真面目に選びすぎたようだ。こと「芸術」となると、つい真剣になっちゃうつまらない性分だからしかたない。