小林泰彦さんに聞く

osamuharada2009-08-26

芸術新潮九月号は、小林泰彦さんについて書きました。三月に「山の原画展」(id:osamuharada:20090310)で新作を拝見して、これは是非とも、僭越ながらコラムで紹介させてもらいたいなと思ったからです。そう思った途端に、しめたッ!コレをきっかけにして、泰彦さんに取材ができるな、と勝手に喜んじゃったわけ。で、七月に原画を拝借するのと、お話を聞かせていただきに、編集の三好さんと世田谷深沢のお宅を訪問しました。お会いするのは二度目。昼の2時におじゃまして7時過ぎまで、たっぷりと楽しい山の話やイラストの話をうかがうことができ、ファンとしては緊張と喜びの大感激の一日になりました。
http://www.shinchosha.co.jp/geishin/200909/invitation.html ←(芸新9月いっぱい出ています)
以下は超マニアックな話→ 愛読していた五十年も前の雑誌『ヒッチコック マガジン』の中で、長年ぼくの抱いていた疑問点を、泰彦さんにぶつけてみたのです。それはヘンリー・スレッサー作「怪盗ルビー・マーチンスン シリーズ」のための、泰彦さんのイラストについて。(上の部分写真がその一つ) あの洒落た落語のような翻訳短編ミステリーの挿絵に、実際には登場していない天使を描いたのは何故ですか?という質問。これはシリーズのシンボル・キャラクターとしての天使になっていて、よくこんな素敵な愛らしいアイデアを考えついたもんだなァと、ずっと(五十年間も)思っていたのです。それで泰彦さんのお答えは、何篇目かに天使という言葉が出たので、天使を描いてみたら、なんとなく気にいったからとのこと。よくOKが出ましたね、とさらに聞くと、兄上の小林信彦編集長が、面白いからそれで続けてやってみろ、とおっしゃったそうなのです。ウーンとぼくは思わずうなりましたね。この名編集長にして、名イラストレーターありの組み合わせ。お二人ともまだ二十代だったんですぞ! とさらにファンとしては感激してしまったという、マニア話なのでありました。実に楽しかったです。  オマケ→『怪盗ルビー・マーチンスン』は、イラストレータ和田誠監督がキョンキョン主演で『怪盗ルビー』と換骨奪胎してアイドル映画化されていましたね。