びいどろ酒杯

osamuharada2009-07-28

芸術新潮八月号のぼくのページは、夏らしく涼しげな美術をということで、谷道さんの吹きガラスを紹介しています。南蛮趣味、長崎のびいどろ(吹きガラスのこと)や、ぎやまん(切子のこと)について述べたあと、谷道さんの吹きガラスのことを書きました。図版には、愛用している小さいサイズの酒杯ばかりを選んで9個掲載。日常的に使っている物ばかりですが、あらためて雑誌のページで見てみると、風格があって美しい。
25年くらい昔の、初めて購入した谷道ガラスのことは、《 透明のガラス杯に、中空の青い装飾(ノップ)がついた脚(ステム)。大振りでゆったりとして、イメージしていた南蛮趣味にかなうものでした。》と書いてあります。透明な部分に細かい気泡が見られ、丸い青のノップが空洞になっているものはこれ以後には造られていないようです。現代的に吹きガラスというよりは、江戸時代の南蛮趣味「びいどろ」に近いゆったりとした風情のある、ごく初期の谷道作品。芸新の図版には大きすぎて載せなかったけれど、それがこの写真中央の酒杯です。夏は冷酒で一杯いきましょう!
谷道さんの吹きガラス(id:osamuharada:20060627),(id:osamuharada:20060624),(id:osamuharada:20080804),(id:osamuharada:20071117),(id:osamuharada:20080213).(id:osamuharada:20090308).