長山洋子の民謡演歌

osamuharada2009-07-01

津軽三味線を弾きながら歌う長山洋子の「じょんから女節」の登場は、久々の民謡らしい演歌だったので、あれ以来聴き惚れているうちに、すっかり洋子ちゃんファンになりましたよ。といっても他の持ち歌で、普通の現代歌謡曲を、フツーに歌ってるほうはパスしています。ほとんどの曲がペシミスティックで、つまらないんだよね。なんといっても三味線入りの楽曲でないといけませんよ。洋子ちゃんは子供の頃から、民謡、演歌、津軽三味線を特訓されてきたというから、民謡演歌の本格派なのであります。
10枚組の長山洋子CDアルバムの中でも、白眉はこまどり姉妹の名曲「ソーラン渡り鳥」です。 本物の古典的な民謡は、ローカリズムが強いというか、方言やナマリがきつくて歌詞に感情移入のしにくいもんだけれど、戦後歌謡曲の大衆的ブームで完成された演歌唱法は、いわば標準語で歌う現代民謡といえるでしょうね。母音の響きも心地よく、誰にでも解かっちゃう。 さいわい長山洋子はアイドル歌手時代も長かったので、歯切れのいい現代語の発声法もしっかりと身についている。リズムのノリもいい。これらが渾然一体となって洋子節が生まれたのでしょう。
長山洋子の解かりやすくてしかも本格的な民謡「津軽タント節」や「津軽じょんから節」、「炭坑節」などを聴いていると、日本語は世界に比類の無い美しい言語だなァと、ひしひしと感じてきます。唄い継がれた民族の声、民謡の長い歴史に想いを馳せられる。   演歌唱法のほうは、かの昭チャン先生こと、市川昭介メソッドの直伝だというから、演歌の名門中の名門出身なのですよ。スゴすぎるんだよね。 むかしのコンサートDVDでは、民謡の大家でもある細川たかしの演歌「北酒場」を、洋子ちゃんが歌っていて、コレがまた最高!にカッコイイのだ。 一ファンとしては、もっと民謡や浪曲をソフィスティケートした、演歌を是非とも歌って欲しいなと切望いたしております。

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