ガース・ウィリアムズの絵本

osamuharada2009-05-26

大型書店の雑誌売り場の前を横切ったら、“LITTLE FUR FAMILY”の絵本が表紙を飾るホッコリ系雑誌が置いてあったのでビックリ。去年の芸術新潮二月号のぼくのコラムで紹介したばかりの、日本ではあまり知られていなかった絵本なのでした。この絵本、三年前にはこのブログでも書きましたね。(id:osamuharada:20061102)と(id:osamuharada:20061101)です。しかし寒がりやの毛皮ファミリーの絵本だから、これは真冬にピッタリの絵本なのです。かじかんだ手に持ったときのぬくもりがグッドアイデアなので、どうでもいいけど夏の号には不向きですよね。
芸新コラムに、この絵本についてを書くので、表紙に本物の毛皮を使うアイデアは、いったい誰のものだったのかを編集の三好さんにちゃんと調べてもらったところ、原作者マーガレット・ワイズ・ブラウンさんのたっての案だったそうです。美人にしてはちょっと残酷だよな。絵のほうを書いたガース・ウィリアムズさんは、人物画がヘタクソというか気味悪いのですが、毛むくじゃら動物を描かせたら実に可愛い! 
同じくマーガレットの原作で“MISTER DOG”という絵本が最高です。(上の写真) この一人暮らしの老犬 Crispin's Crispianというヘンな名前なのですが、その理由が He belonged to himself というのだから可笑しい。名前が所有格。 上のページには、he woke himself up and he went to the icebox and gave himself some bread and milk. とあります。つまり年老いて、しっかりと自立?している犬なのでしょう。子供たちに「自分のことは自分でせよ」と愉快に教えてくれる絵本。それにしてもダラーンとしたガウンの着こなし、老いたるヤツガレも自分自身の姿を見るようですな。寝起きのボサボサ頭がいいですね。