五月の菊六落語会

osamuharada2009-05-01

第八回目をむかえるパレットクラブ寄席、『古今亭菊六落語会』のお知らせです。毎回、「古典落語」と呼ばれる、お古いところばかりではありますが、この会で菊六は同じ噺を繰り返さず、毎回新しく仕込んだネタのみで挑戦いたしております。回を重ねるごとに成長していく様子が、席亭としては嬉しくてなりません。古典落語ひとすじで、精進していってほしいなと願っています。
四代目柳家小さん(1888〜1947)の、戦後すぐ最晩年の芸談「四代目小さん・聞き書き」を読んでいたら、現在の落語界にも通用するような、こんなことを話していましたよ。《 近頃の落語が、よく、漫才みてえぢやアねえかといはれるのは、言葉のをかしみや面白さばかりで笑はせようかとかゝるためなので、つまり今様でいふギャグ、警句ですかね、そういふギャグだけに頼つて笑わせるから、漫才と落語が、一方は二人出てきてやるのと、一方は一人が喋るといつただけの違ひになつて、さういふ悪口も出てくるわけなので、落語はギャグで笑はせるのではなく、藝で笑はせるものでなくつちやいけません。》  芸で笑わせる、コレが一番むずかしい。 〔この昔の寄席の挿画は、木村荘八

              第八回・古今亭菊六落語会 5月22日(金)
              午後7時開場、7時半開演 木戸銭1500円
   本日より、メールにて御予約うけたまわります。メールは、information@pale.tv
   PALETTE CLUB 東京都中央区築地4-11-10 電話(03)3542-8099 地図
前回の菊六落語会[id:osamuharada:20090116]  前々回は[id:osamuharada:20081004]
古今亭菊六公式サイトhttp://www.kiku6.com/
五月二十三日追記  昨夜も満席、いっぱいの御運びをいただきありがとう存じます。今回菊六演じましたる題目は『あくび指南』に『子は鎹』の二席。 江戸時代の悠長でナンセンスな噺「あくび指南」は、かつての名人上手に引けをとらないデキ。昔から聴きなれたナンセンスな噺ながらも、どこかに新鮮味を感じさせてくれて、思わず爆笑しましたよ。若いのにうまいモンです。 「子は鎹」もストレート(変化球無し)に演じながら、十分に人情味のある可愛らしい噺として見事に演じました。 後で若い人から、大工道具の「玄能(げんのう)」と「鎹(かすがい)」がワカらなかったと聞きました。玄能は、たたく仕草でカナヅチのようなものと判断できたそうですが、鎹のほうは見たことも聞いた事もなく、形も想像つかないとのことでした。「子は鎹」がコトワザであることさえも、知られなくなってきたんですねェ。しかたないけど、ちょっと淋しいな。 さて次回は七月十日(金)に決定しました。夏が来たら、かねてより頼んでおいた『船徳』のネタおろしをやってくれるそうで、席亭としては大いに楽しみです。請う御期待! また近くになりましたら御予約開始のお知らせを改めて致します。