舩木さんのスリップウェア

osamuharada2009-03-17

毎年春が近づくと、わが食卓では、舩木伸児さん作スリップウェアの出番です。なかでも中央にある淡黄色の大皿(30cm)には、旬の野菜や、春の魚などがよく映える。特にコレは春の皿だと勝手に決めている。  島で作る地産地消の野菜や根菜類、友人宅からもらってきた自家栽培の野菜やレモンなど、朝摘んだものをその日のうちに平らげることが肝心。そうすれば味覚にも春の到来を感じることができる。四季ある日本の地に住む幸福をつい忘れがちだけれど、食材でさえもそれを想い起こさせてくれるんですね。  新鮮で簡単な温野菜やサラダ。地魚の金目や黒むつは、塩焼きか、或いはアクアパッツァなどにするだけで感動的に旨いです。塩もミネラル豊富な島の自然塩を使用。 そして舩木さんの黄色い大皿のおかげで、さらに春の気分はいや増して、料理を眺めているだけでも朗らかな気持になる。陶器は、使った時にこそ真価を発揮するもんですね。  本来のスリップウェアは、十八、十九世紀ごろまでのイギリスで、庶民が日常的に家庭で使用していた陶器類だから、そもそも気取った料理には似合わない。素材そのものをしっかり味わうことに向いているようです。 そして食後、自分の好きな食器というものは皿洗いも苦じゃない。綺麗サッパリとしたら、アトリエの棚の上に置いて、今度は部屋が春めいてくるのを目で感じる番です。
前に書いた舩木さんのこと。(id:osamuharada:20080921),(id:osamuharada:20080416),(id:osamuharada:20070906)