小林泰彦 山の原画展

osamuharada2009-03-10

先日銀座で、我が憧れ小林泰彦さんの、山の原画展「無名百低山」を拝見してきました。かの「日本百低山」(山と渓谷社刊)が上梓されたのは2001年です。その後も名低山を探し続けておられ、今回は旅の途中で描かれたという15山の原画展。登山家・画家・イラストレーターの顔を持つ小林氏と案内には書かれてあります。1984年「低山徘徊」、1987年「低山逍遥」の画文集もぼくは愛読しており、絵とともにその文章もまた素晴らしいなと思っています。画文一体となって、低山を巡る旅の喜びが読者に伝わってきます。見て読んだ後は、山好きの人ならずとも、日本の山々の魅力にとりつかれてしまうでしょう。 今日「日本百低山」が、ついに文庫本となって再刊されます。文庫ならポケットに入れて、山歩きの良きガイドブックにもなりますね。日本が有名無名の素晴らしい山々に恵まれた国だとよくわかる。沢山の人に見て読んでいただきたい。
中高生の時に愛読していた雑誌「ヒッチコック・マガジン」(兄上の小林信彦さんが編集長)で、ぼくは泰彦さんのイラストの大ファンになったわけですから、日本最古の泰彦ファンといっても過言ではないでしょう。そんなこと、自慢してもしょうがないか。 純粋絵画とは別に、イラストというジャンルがあると知ったのも、この雑誌からでした。やがてヤツガレがイラストレーターの末席を汚すようになってしまったのも、小林泰彦さんへの憧れがもとになっています。 1935年のお生まれですから、今年は七十四歳におなりになる。次は、ライフワークとなられた無名百低山が、また一冊の名著としてまとまることを、ますます期待せずにはいられません。
「無名百低山」展のカードに選ばれた絵(上の写真)は、《摩耶山(六甲系)699m/神戸市街から直接登ることができるので、市民に親しまれてきた信仰の山である。山頂は淡路島まで望める大展望。ロープウェイを利用すれば歩かずに登れる》と解説されています。
小林泰彦 山の原画展『無名百低山』は4月17日まで。ノエビア銀座ギャラリーにて。

標高1500メートル以下の名山100プラス1 日本百低山 (文春文庫)

標高1500メートル以下の名山100プラス1 日本百低山 (文春文庫)

日本百低山

日本百低山