桂文楽

osamuharada2009-01-30

菊六落語会、このブログだけでお知らせしたにもかかわらず、たちまちの満員御礼ありがとう存じます。 どうも世間では落語がちょいとしたブームになっているらしい。さて前回、宮田重雄ゑがく志ん生の挿絵原画を載せたところ沢山の反響があったので、引き続き同じく安藤鶴夫著「ある日、その人」に掲載された、桂文楽の挿絵原画をお見せしちゃいましょう。最盛期の頃の黒門町の図。 さらに最晩年は翁(おきな)という感じになって、しずしずと出囃子「野崎」にのって高座に登場。その姿にはカリスマ性があって、今も目に焼きついたままです。
文楽レパートリーで、ぼくの最も好きなのは「酢豆腐」という噺。ダダラ遊び(無意味な遊びのこと)の楽しさ、様々なタイプの下町っコの可笑しさ。 むかしコレを古今亭志ん朝の高座で聴いたときには、半ちゃんをおだてる言葉で、「あれが、ほんとうの江戸っ子気性、職人かたぎ神田ッ子。」というところがスッと出なくてカンでしまっていた。文楽の、あの簡単なセリフまわしで半公ならず観客までいい気分にさせる独特のエロキューションは、至難のワザなんだなァと、つくづく思ったことがある。 使う言葉を吟味して、研ぎ澄ましていった桂文楽の芸は、それだけに継承することが難しいといえる。 若い菊六は今年、文楽のオハコ「船徳」に挑戦するという。はたして、四万六千日お暑い盛りの隅田川風景が、観客の頭に浮かぶかどうかが、この噺の聴きどころ。楽しみですね。
志ん生文楽ときたら三遊亭円生。こっちはすでに書いちゃった。(id:osamuharada:20050303)、こんなとこにも円生が、(id:osamuharada:20061226)