歳寒二友

osamuharada2009-02-02

京都の竹包楼で買った『鉄斎扇面』を眺めていたら、椿と梅の二種が描かれた扇に「歳寒二友」と賛がある。中国では古来より、主に松・竹・梅を指して「歳寒三友」というはずだが、これは富岡鉄斎が勝手つくって二友と称した賛のようだ。中国原産の梅は江戸時代になって日本で流行した。椿は日本古来の代表的な花木だから、なんとなく日中友好とも読める。これもまた鉄斎らしい、いい言葉だなァと思った。
好天に恵まれた島のアトリエに、旧友が遊びに来ていた。冬の海、遠く向こうの真っ白な富士山に感嘆したり、島中で咲き始めた椿見物をしたりと、お互いにいたって年寄りクサイ。若い頃は一緒にバンドなど組んで遊んだ仲間だったけれど、彼はあれから一筋に企業のサラリーマン人生を送ってきた。ぼくとは正反対の生き方。なのに会えば、いつでもまったく昔のままで、何も変わっちゃいない。それはお互い様のようで、四十年も昔のポン友同士にすぐ戻ることができる。ごく自然にそうなっちゃうところが、旧友とは不思議で、何だかおかしなもんですね。思わず笑っちゃう。 お互いに、バンド時代(恥ずかしながらタマ美のウェスタンクラブなりき)から、ずーっと聴き続けてきたカントリー&ブルーグラス。 彼が停年退職を過ぎたら、いつかテネシー州は聖地ナッシュビルへゆき、念願のカントリー・ミュージック総本山詣でを一緒にしようぜ、と誓いあったのでありました。巡礼の旅ですな。
『鉄斎扇面』(id:osamuharada:20081112)