ジャッキーとサルバドール

osamuharada2008-11-25

芸術新潮12月号。今回のコラムは、編集の三好さんに前から何かレコード・ジャケットのデザインで面白いモノを紹介してくださいといわれていたので、選んだのがあのサルバドール・ダリが描いたLPジャケット。これは意外と誰も知らない。一応芸術の雑誌だから、コジャレたモダンジャズのジャケットなどにしなかったところが、ニクイでしょ。シュルレアリスムとダリ好きの方は、是非本誌にてゆっくり読んで見ていただきたい。
美術コラムだから、音楽のほうのジャッキー・グリーソンに関しては二の次になってしまったので、ココで紹介しますね。ダリの描いたジャケットは、グリーソンの Lonesome Echo というアルバムでした。50年代アメリカで大衆的人気のあったダンスミュージックのバンドマスターで、コメディアンでもあったジャキー・グリーソン。自らのテレビ番組「ジャキー・グリーソン・ショー」で全米を湧かせていた頃のレコードなのでした。後に、ポール・ニューマン主演映画「ハスラー」では、見事な敵役ブリ('61年、アカデミー賞助演男優賞ノミネート)で俳優としても高く評価された人。彼の音楽は誰が聴いても心地よいスタンダードナンバーばかり。イージー・リスニングというより、やはり大人のダンスパーティーなどで、踊りたくなっちゃうスイング・ジャズに近いのかな。ダリのジャケットのほうは、Lonesome Echo という題名どおり、ちょっとケダルイ感じ。
ジャッキー・グリーソンを聴くなら、ぼくが一押ししたいのはコレ、Velvet Brass のほう。元気が良くてロマンティック。トランペット、トロンボーン、フレンチホーン、サックスなどなど、金管楽器の大盤振る舞い。抜けるような青空を、浮遊しているような快感に満ちていますよ。今のアメリカからは想像もつかない、半世紀前の超健康的で色っポイ音楽です。You Driving Me Crazy や What's New 、The Man I Love など、おなじみスタンダードナンバーがメジロ押し。
芸術新潮の立ち読みはコチラ http://www.shinchosha.co.jp/geishin/200812/invitation.html