黄昏のアンクル・サム

osamuharada2008-11-06

アメリカ初の黒人大統領(オフクロさんは白人だからハーフなのに)出現で、世間は喜んでいるけれど、オバマ新政権は戦前のニューディール政策と同じようなことをするらしい。というコトはですよ、アメリカはすでに恐慌時代に入ってることになる。そんなことをボンヤリ考えてたら、ふと本棚の片隅に飾ってあった、メキシコ人形のアンクル・サム(典型的アメリカ人のこと)が目に付いた。片手にライフル銃を持っていたはずだけれど壊れてもう無い。むかしニューヨークのメキシコ民芸品店で買った安物の人形なのでした。久しぶりに眺めたら、随分みすぼらしくなってしまって、覇権を失った現在のアメリカを象徴しているようにも見えてきた。我々団塊世代マッカーサーの占領下時代に生まれ、20世紀半ば世界最大の発展をとげたパクスアメリカーナ時代を憧憬しながら育ち、アメリカに追いつきたい一心でガンバッテきた感がある。しかしドルの威光もついえて、アメリカの覇権もとうとう終焉をむかえたらしい。日本人のアメリカかぶれも、これでいよいよオシマイだ。南無阿弥陀仏
アンクル・サムには、アメリカの国旗が似合うはずだと思い出し、現代美術の本をあけて、ジャスパー・ジョーンズの有名な作品、FLAG を背景にして置いてみた。(ヒマだね)1955年の作ならアメリカ黄金期であるはずが、ジョーンズの描く旗は、現代を予兆したかの如く、かなり汚くてみすぼらしい。アンクル・サムが落ち武者になったみたいに哀愁を帯びてきた。荒野(あらの)の果てに夕陽は落ちて、たえなる調べ天(あめ)よりくだる、アーメン。