黄色の男

osamuharada2008-09-01

オサムグッズのデザインをしていた頃、参考資料として、海外のグッズ類を山ほどコレクションしたことがある。紙製品、布、木製、プラスチック、ガラス、金属製と集めだしたらキリがない。そのうち仕事の資料であることを忘れ、特に黄色のグッズが好きになった時期がありました。チープな物から高級品と、仕事場の棚が黄色いモノでいっぱいになった。黄色とあらば、娘のオモチャ(風呂用のアヒルなど)でもミルクマグでも折りたたみ傘でも、ナンでもカンでも無情に奪い取ってしまう、ハードボイルドな黄色コレクターであった。それもデザイナー時代が終わるとともに、ホトボリが冷めた。集めることの不毛さに気付いて、急にアホらしくなっちゃったワケ。
というような過去のあるワタシが、先日、新しくできた島の「貝殻博物館」へ行ってみたところ、展示品のなかに、天然の黄色が見事に美しい、ヒオウギ貝に目が留まり、クギヅケになってしまった。コレが人工の黄色ではなく自然が造りだした素晴らしい黄色なのですよ。 帰りがけに、そこのミュージアムショップで、同じ黄色のあの貝をと、気がついたら、つい買ってしまうオレなのだった。どれでも1枚200円ナリ。 あれから、デザイナーの昔の習慣が戻ってきて、ごく自然に貝殻の黄色がどんな黄色にあたるのかを調べ出していた。つまりパントン印刷用インク色見本帖では何番の黄色であるとか、彩度及び明度は如何ほどか、リキテックス水性絵具だったら何番かなどなど。そしてやがて、最早そんなことをしたって、ナーんの役にも立たない事を思い出しては、再びアホらしくなってしまったのである。