赤福 事件簿

osamuharada2007-10-21

赤福餅のニュースを新幹線車内の電光掲示板で読んだのは、何か虫の知らせであったのかも知れない。夕刻大阪で友人達と落ち合い、黒門市場は串揚げの「六覚燈」(ワインも素晴らしい店)にて会食。ぼくの最古のガールフレンドP子(大阪在住)の病気見舞いもかねた、これはいつものグルメ会である。 親友の一人(某スポーツ新聞社重役)が「オイ、この出たばかりの週刊文春の広告見てみろよ」と言って皆の前に広げたのが、赤福の見開き広告頁であった。(上の写真はその広告の部分)世間を震撼とさせた事件の後だというのに「堂々とこの広告はねえだろッ! 掲載を止めるのに間に合うはずが平気で載せるとは、よっぽどスポンサー料が惜しかったんだろうぜ。」と、もと新聞記者だけあって鋭い指摘。すると突然、P子が「ひっどいわよねェ赤福!!」とテーブルをひっくり返しそうな勢いで激怒しだしたので、隣にいたぼくは串揚げを落としそうになってしまった。 ことのゆくたては遙か二十年も昔にさかのぼる。ある時P子さん、新幹線のホームで赤福餅を買って以来、大の赤福ファンになったのヨという。しかしあの箱入りの量では持て余し気味でいたところ、五、六年前から御堂筋のそごうデパ地下にて通常の箱よりは餅の数が少ないパックが出現した。それが嬉しくて、以来P子は勇んで毎週かかさず食べ続けた(それも凄いよね)というのだ。「しかもアナタ、買うとコレは必ずヨ、今日中に召し上がってくださーい!と店員さんに毎回ひつこく言われてきたのよ。それをワタクシは、ちゃーんと守り通してきたっていうのにィ、ちょっと何なのよコレって。あんまり人を馬鹿にしてるじゃない!!」と、もう止まらない。皆々始めはP子に同情していたものの、やがて誰かが、腐ってたって気付かないアンタが鈍感なんだの、そんなインチキな甘いもんばっかり食べてたから病気(肝臓が悪いのです)になっちゃうのよ、などなど散々のてい。お見舞いということを皆忘れちャってるなと、ぼくは思ったね。それにグルメ会であることも。最後に渋谷で料理屋経営をしてる友達が「そもそも砂糖とは防腐のために使うんだから日持ちするはずだろ。甘いあんころ餅を、買ってその日のうちに食べろなんてぇのは、いつ頃から作ってたもんだかわかりゃしねぇだろが。そんなもの食うアンタが悪い。すこしは頭を働かせろよ!」と、致命的な審判を下したのであった。しかし本来被害者であるべきP子にとっては冤罪である。もちろん哀れなる最古のガールフレンドを救うため、ぼくは迷わず控訴を求めるつもりだ。かくしてこれが我ら仲良友達を襲った、あの恐るべき赤福事件の顛末であったのである。バカですね。
24日追記 「赤福」は国内産の小豆にもち米と宣伝していたそうですが、実は安い中国産小豆やカリフォルニア産の米粉も使用。餅を柔らかくする植物性タンパクやトレハロースも原材料表記せず使用していたと新たなるニュース。 本日、P子さんよりメールあり「もう、マジ、訴えたいわよ!」