都はるみ市川昭介を歌う

osamuharada2007-09-27

昨日は作曲家市川昭介の一周忌、東京国際フォーラム2時開演の、都はるみが恩師の曲を歌うコンサートを聴きに行った。5千人満杯の客席は平均年齢75歳という感じ。若者がいないだけではなく団塊世代すらいないのがかえって気持いい。左隣に座ったオヤジさんは朝から四国高知より飛んで来たそうだし、右隣は80歳代半ばのお婆ちゃん二人連れ。後ろのオジサン(ぼくと同い年くらい)は、演奏が始まると立派なかけ声で「みやッコ!」を連発してくれるという、演歌を聴くには申しぶんのない贅沢な雰囲気。 
開幕すると笑顔の昭ちゃん先生の遺影が舞台中央に、その下で写真を見上げる都はるみの後姿。しばし黙祷の時があり再び暗転、真っ暗な中、アカペラで都はるみは「あんこ椿は恋の花」のサワリを歌う。そしてパッと舞台が明るくなると、赤と白の着物は振袖姿で、オーケストラを従え今度は最初から「三日遅れの便りを乗せて 船がゆくゆく波浮港」と歌い出した。いきなりの絶唱。日本の海の神、山の神が都はるみに降りて来たかのよう。言霊のお巫女さんだね、スゴイよ。 市川昭介先生との思い出を、時に涙して語りながら、次々と大ヒット曲を歌った。ぼくの一番好きな「はるみの三度笠」(コレは作詞も市川昭介)もありました。半ばからは、市川昭介が他の歌手でヒットさせた曲を、都はるみがセレクトして初めて歌う。「涙を抱いた渡り鳥」(水前寺清子の)は最高だった。他の曲もすべてが都はるみの歌になっていることにも驚いた。 30年ほど前、渋谷のNHKホールで都はるみ初リサイタルを、故ペーター佐藤と聴いた日をぼくは思い出していた。普段は物静かなペーターが、感極まって「みやッコ!」を叫んだ。それが実にうまいタイミング。ニューヨーク時代のペーターの広いロフトでも都はるみを聴いた。ぼくのアトリエのある島でも、あんこ椿を聴きながらドライブした。もう一度、生きていたら一緒に聴きたかったな。演歌の親友を失ったのはつらい。
いつも木曜日の午前11時半から、ラジオ・ニッポン放送高田文夫清水ミチコの番組(今一番笑える名コンビ)を愛聴しているのですが、今朝は高田文夫が、昨日の都はるみコンサートへ行った話しをしてたので嬉しかった。ステージでは泣くまいとしていた都はるみが恩師を語りながら、とうとう泣きだした時に、高田文夫はついオレも「もらい泣き」しちゃったよと言ったのが可笑しかった。
「はるみの三度笠」古い映像がありました。ウインク時雨いいねェ、みやッコ!

恩愛の花~都はるみ 市川昭介を歌う~

恩愛の花~都はるみ 市川昭介を歌う~