「ぼくの美術帖」の装丁

osamuharada2006-12-04

おかげさまで、みすず書房版の拙著『ぼくの美術帖』が重版されることになりました。厚くお礼申し上げます。
みすず書房版の装丁は「大人の本棚」シリーズとしてのデザインフォーマットがすでに決まっていたのですが、その表紙のデザインが、偶然にも昔の原本(パルコ出版)のぼく自身が装丁デザインをした外箱によく似ていました。そして刷り色のほうは自由に選べると聞き、昔の表紙のほうと同じ黄色にしたので、みすず書房版はなんとなく原本と雰囲気が似ています。こういう偶然ってなんとなく(本人だけ)嬉しいものですね。
上の写真はその原本(とっくに絶版)のほうです。表紙をフランス語表記にしたのは、若気の至りでカッコつけ過ぎだなァと今頃反省してももう遅いけど、実は何も意味は無かったのです。何故かあの頃(30代半ば)は、ひとり気取ってフランスカブレをやっていた頃だったのでしょう。表紙には厚手の黄色い色紙(名前は忘れました)を使用、荒いキャンバス地のエンボスが施されていました。外箱はボール紙に青1色刷りで、箱の印刷屋さんまで出かけていって、しつっこく注文をつけて色出しをしてもらいました。印刷工場内は蛍光灯のため色が沈んで見えるので、職人さんを何度も外に連れ出しては指定の群青色を自然光で判断してもらった記憶があります。これは(本人だけ)楽しい苦労話。
http://d.hatena.ne.jp/osamuharada/20060330

ぼくの美術帖 (大人の本棚)

ぼくの美術帖 (大人の本棚)