絵本の装丁 (続き)

osamuharada2006-11-01

さて、この絵本は閉じて置いてみると、ご覧のようにもう本だか何だか解からなくなってしまう。そこが好きです。そしてそれがまた不思議な毛皮ファミリーと同じように、可愛らしくてミスティックな雰囲気を持った装丁であることに気がつきます。誰がこのデザインを考えたのか?原作者達ではなく、多分この編集者か営業マンのような、客観性を持ったひとのアイデアだろうなと、ぼくの勝手な想像です。オリジナル版は、本物のウサギの毛皮を張ったそうです。特装本はなんとミンク。それを聞くとちょっと動物愛護精神に傷つきますが、当時はたちまちのベストセラーだったそうなので、やはり腕のいい営業マンのほうかな。その後イミテーションの毛皮にしたのも大量生産とコストダウンのためだったのでしょう。何にせよウサギやミンク達にとってはフェイクファーにしてくれてよかったな。
上の写真、本のサイズはティーカップとデミタスの中間くらいです。スペシャル版ではこの4倍くらいのサイズのフェイクファー装丁もありますが、ぼくはこっちのサイズのほうが、より内容にピッタリだなと思います。白い紙製の外箱は、真ん中に主人公の毛皮君が立っていて、おなかの部分は楕円形に穴があいています、本を入れると表紙の毛皮が主人公のおなかの毛となって出っ張るわけ。これも店頭での効果は抜群です。思わず中を見たくなっちゃうもんね。外箱デザインはこんな感じ。
http://www.amazon.com/Little-Fur-Family-Board-Book/dp/0060759607/ref=pd_lpo_k2_dp_k2a_1_txt/002-8349182-8854436
現在の再販は、フェイクファーの色がチョコレートでした。