さらば、プルート

osamuharada2006-08-25

昨日のニュースでは、水金地火木土天海冥の冥王星が、太陽系惑星の仲間から正式に外されたそうですね。なんでも地球の衛星の月よりも小さかったことが発見後に解かってきたらしい。冥王星は英語ではPLUTOギリシャローマ神話にある冥界の神様の名前ですね。冥界、黄泉の国つまりあの世の事です。
天文学のことはともかく、PLUTOといえばディズニー・キャラクターでぼくの一番好きなのが犬のプルートなのです。1928年にミッキーマウスが誕生した後、1930年にアメリカで冥王星が発見された記念に、ウォルト・ディズニーがミッキーの飼犬としてプルートを登場させました。ただしネズミのミッキーは擬人化され、立派な家もあり仕立ての良い服も着て人間のようなキャラクター(性格)を与えられたのに、プルートは外の小さな犬小屋に鎖でつながれ、骨をしゃぶり、ご主人様ミッキーに頭を撫でられては喜ぶただの犬のままでした。さらには失敗ばかりしているダメな犬、落語だと与太郎の役どころですね。
ぼくはもとよりディズニーの長編漫画映画は嫌いでした。バンビにしてもダンボにしても、あまりに過酷な物語で、子供の頃に見させられた時は泣きっぱなしでした。短編は楽しかったけれど、プルートを好きになると判官びいきというやつで、今度はミッキー嫌いになってしまったのです。というわけで自分の仕事がキャラクター専門になった時には、参考資料のつもりが、ついプルート・グッズを集めてしまいました。なかでもこの写真のマグカップは今も現役で愛用してます。このプルートの絵の左側にはドナルドダックが立っていて、なにやらガミガミとプルートをひどく叱っている絵が描かれてあります。嗚呼、いつもいつも哀れなるプルートよ。
惑星から外されてしまったプルートのニュースに、犬のプルートを重ねて余計に判官びいきをしたくなりましたが、同じプルート発見記念を語源にしたプルトニウム(1940年につくられ1945年には原子爆弾となって長崎に落とされました)だけは、いまやその数量たるや地球上にますます増え続けてしまいました。こっちは史上最悪のキャラクターですね。