イサム・ノグチのソファ

osamuharada2006-08-10

前回に続いて別の部屋で、また和洋折衷を完遂。今度はそれまでアトリエの片隅に置いてあったイサム・ノグチのソファを移転しました。15年ほど前に買った、イタリア製でのリプロダクションですが、これのオリジナルは1946年のデザインです。ピタリぼくと同い年。ソファのカバーは座面と背もたれが簡単に色替えできるようになっていて、アトリエでは黄色の座面に群青色の背もたれでした。今回は和室ということで、手持ちの何色かの組み合わせの中から選んで、赤に替えたのは、なんとなく緋毛氈のイメージでもあるし、デザインのほうもぼくと同じく還暦ということで、これはやっぱり赤しかないでしょう。背もたれには黄色が合う。たまたま京都から遊びに来ていて運ぶのを手伝ってくれたぼくのお弟子さんは、なんだか祇園お茶屋さんにいるみたいでいいですねェとヘンな感心をしていました。
正座がダメで胡坐もダメになってきたので、しかたなく洋家具を和室に無理やり取り込んだにしては、この和洋折衷案は思ったよりシックリしました(と自分では思ってる)。何より楽チンなのと、座ったときの視点が上になって、外の景色を見るのに丁度良い感じになりました。ついでにやはりイサム・ノグチのガラステーブルとAKARIも連れてきました。写真右の窓側に竹の柱があるのですが、これが意外にも家具と呼応するのは、やはりイサム・ノグチの日本人としての遺伝子のなせるワザなのでしょうか。葦戸にも、じかに置いた床の琉球畳にも違和感なくおさまるのが不思議です。漆喰の壁にかかげたのは川端実先生がニューヨークで描いた抽象画のエスキース。さっそく夜は、蝋燭をつけて窓を明け払い、日本酒で決めてみました。酔っ払った弟子は勝手に「祇園コーナー」と呼んでいました。この夏これからやってくる友達(全員が還暦ナリ)も赤いソファが気に入る?ことでしょう。はたまた「還暦コーナー」となるか。