ハンス・ウェグナーのソファベッド

osamuharada2006-08-02

前に「竹の天井」のところで書いたアトリエ中2階の部屋では、富岡鉄斎に憧れ、枯れた文人趣味を気どって、端座して机に向かうつもりでいたのですが、この頃はトシのせいか膝がダメになり、正座はおろかアグラをかいて長時間座ることすら苦痛になってきました。そこであっさりと鉄斎式は諦めて、この和室に読書兼昼寝用のソファベッドを持ち込み、和洋折衷ということにしてしまいました。
デンマークのハンス・ウェグナーが50年代にデザインしたソファベッドです。背もたれに色々なヴァリエーションのある様式ですが、これは珍しく籐で編んだ背もたれのデザインです。折りたたみになっている背もたれを上げるとたちまちシングルベッドに早変わり。横になって眠くなったら寝たまま広げられるので便利です。背もたれの内側には、膝掛けでもタオルケットでもしまっておけるのでさらに便利。西洋式にはなっても、鉄斎の賛にある「閑臥書を枕に安楽境」(書物を枕にのんびり横になっているのは安楽の境地)という感じではあります。
もっとも最近凝っている書物は、おもに江戸から明治にかけての陰謀史観のための研究資料ばかりですが、推理小説を読むよりずっと興奮するため、歯を食いしばって睡魔と闘いつつ読んだりメモをとったりなどで、なかなか安楽境に至れないのが情けない。
この部屋は3面窓なので風通しは良く、夏の昼下がりでも涼しいところだけが取り柄です。クーラーが苦手なのでなによりです。梅雨も明け、いよいよ週末から暑くなるとのこと、良い夏休みをお過ごし下さい。