地球儀

osamuharada2006-07-07

こないだ銀座伊東屋へ行ったら、何故かにぎやかに地球儀フェアをやっていたので、釣られて中に明かりのつく小さい地球儀をひとつ衝動買いしてしまいました。部屋を暗めにして机に置くと、青く光る地球を宇宙から眺めているような雄大な気分に浸れます。随分安上がりな宇宙旅行ですよね。これはしかしインテリアとしてもちょっと気にいりました。ニュースを見て後で知ったのは、サッカーのワールドカップに合わせての伊東屋の地球儀フェアだったそうです。全くサッカー興味無しのぼくにやっと突然のフェアの謎が解けたわけです。
世界一周を夢見ていた子供の頃から、もともと地球儀を眺めるのが好きでした。いま観ても楽しい映画「八十日間世界一周」を小学生の時に観たことと、毎週日曜朝のテレビで「兼高かおる世界の旅」の大ファンだったせいもあります。そして24歳の年には、ほんとに世界一周を完遂してしまったのです。横浜から安い中国の船でサンフランシスコまで、次に1ヶ月かかってグレイハウンド・バスでアメリカ大陸を横断してニューヨーク。マンハッタンに住んで長期滞在した後、飛行機でイギリスへ。船でフランスへ渡ってから、ヨーロッパ中あちこち汽車やヒッチハイクで2ヶ月ノンビリ旅をして、やがて冷戦時代のソ連モスクワへ、そこからシベリア横断鉄道に乗ってハバロフスクから終点の不凍港ナホトカに出て、船で横浜へ戻り地球を一周したのです。今また地球儀をユックリ回して眺めても、若くて冒険旅行のようだった旅の記憶や、その時代が懐かしくも鮮やかによみがえります。
別の地球儀の楽しみ方をもひとつ。この頃は探偵趣味といったらよいか、明治維新の「陰謀史」を研究中ですが、地球儀は推理力を増進するためにも大変役に立ちますよ。世界史の中のほんとの日本史を考えるのにも便利です。去年は誰も気付かなかった坂本龍馬暗殺の真犯人をついに突き止め(犯人は当時世界をまたに駆けた人物なり)、地球儀と地図でそのアリバイを崩すことにも成功したのです。司馬遼太郎の描く龍馬などは全くのデタラメというのもわかってますます面白い。ただしインボー関係は危険過ぎて、これ以上お話できないのが残念。ぼくは中学生からのミステリー小説マニアでもあったので、それがいまだに続いているというだけのことですね。ちょっとこれはヘンな地球儀の楽しみ方でした。