谷道さんの吹きガラス

osamuharada2006-06-27

前回、食べるほうを先に書いちゃったので、あらためて器のほうの話。谷道和博さんのつくる吹きガラスが好きで、一年おきにある新作展示会で少しずつ手に入れているうち20年以上たって、コレクターでもないのに気が付いたら沢山あつまってしまいました。経年とともに作風もすこし変わりましたが、軽みやスッキリとしてモダンな感じ、最初から谷道さんにそなわっていた品のあるセンスはまったく変わりません。
最近の吹きガラスには、クリスタルのように気泡のまったく見られないものが完成して、宙吹きで生まれる柔らかな形のうえに、クリスタルガラスの硬質さは一体となって、独自の気品ある美しさが醸し出されています。形の柔らかさはグラス類では持った手によくなじみ、完全な透明さは中に入る飲み物の色を際立てます。プレゼントした友達にも永年愛用してもらっています。
谷道さんはぼくより1つ年下の東京生まれで、工業高校では南伸坊さんと同級生だったそうです。ひとりの工房は千葉の山中にあります。同じく団塊世代(最近は世間から白い眼で見られてる)としては、ますますガンバッテほしい作家です。
写真の大鉢は、左がくだんの冷むぎの時のです。緑色の同心円の深い皿は径が40cmくらいで、夏の野菜や果物をミックスしたサラダにいつも使っています。真ん中の群青色の渦巻紋の大鉢は、水を張って水草を浮かべてテーブルに置いたりすると涼しさがいや増します。使わない時は、夏だったら居間の窓辺に並べておくと、そよ風がもう一段ヒンヤリとするような気がします。