還暦のゴムぞうり

osamuharada2006-06-12

赤いちゃんちゃんこなどはいらん、と娘に言っておいたら、じャあコレと、くれたのがこの赤いゴムぞうりでした。
先日も青学の中学高校の同期生150人が集って、いっせいに還暦祝いパーティーを敢行いたしました。必ずなにか赤いモノを身につけて来いという条件付きでしたが、さすがに赤くてもゴムぞうりでは行けず、赤いハンケチを手に持っていきました。しかしこれは不合格。
ともあれ、全員が同時期に60歳になるという雰囲気は、やっぱり奇妙な感じがするもんですね。そして女性陣のほうがゼンゼン元気がいい、真っ赤な服を着ていても堂々たるもんです。この日のために赤ずくめの格好できた男一匹は、ただの道化役に堕して哀れなもんでした。退院したばかりの同級生堀越君(十二代目団十郎)は濃いピンクのシャツを着てきて、病み上がりなので限りなく赤に近いけれどまだピンク色だと言っていました。もはや還暦での話題というと、もっぱら病気の話に死んだ友達の話あたりで落ち着くもんなのですね。ブログなど見たり書いたりする人は誰もいません。(なのでいつも安心して書いてるわけです)
その後、ぼくの赤いゴムぞうりは、絵の具だらけの島のアトリエの床(上の写真)にピッタリだということに気付き、ありがたく愛用させていただく事にあいなりました。なんでもブラジルの「ハワイアナス」とかいう昨今流行モノらしい。ただビーサンなどといわれてもピンと来ない、正しくは「ゴムぞうり」です。1960年の始め頃から還暦まで、夏には必ずはき続けてきたゴムぞうり。貧乏な日本の50年代に、アメリカへの輸出用に合成ゴムで作り売り出されていたものが、60年代に若者の夏のオシャレとして定着したのでした。流行したのは単にオシャレや気候に合っていただけではなく、それまで子供時代には誰もが「下駄」で育った経歴がものをいったからでしょう。さて今年もまた、ゴムぞうりの夏とはなりにけり。