三社祭

osamuharada2006-05-24

江戸から続く年中行事、浅草の三社祭を見てきました。最後の宮入りの日です。昼過ぎに築地からタクシーで行ってみると雷門付近は混んでいて、手前で下ろされたところが駒形でした。なんともうまい具合に、すぐ目の前が「駒形どぜう」の店先で、角には久保田万太郎の句碑「神輿まつまのどぜう汁すすりけり」が出迎えてくれたのでした。
半纏に鉢巻姿の人々が町にあふれ出ているなかを歩いていると、気分は浮かれて江戸の昔にタイムスリップです。実は、お祭り見物にいったのが、ぼくの娘と姪っコが三社祭のお囃子連中に入っているからなのでした。この3日間がハレの舞台というわけで、山車に乗って笛や太鼓で祭り囃子を演奏しながら練り歩くのです。以前は聴いていてハラハラさせられっぱなしでしたが、今年はなんとなく板についてきた感じで、ゆっくり祭囃子を楽しむことができました。写真の提灯はその山車に毎年オヤジとして寄贈しているものです。うちのは「つきじ原田」です。太い提灯文字(つきじのところはヒゲ文字といいます)で書かれると、おっけ晴れて、なんだか江戸っ子気分になってくるから不思議ですね。つい江戸文字レタリングも好きなので見とれてしまうのです。
夜になって雷門で娘達の乗るお囃子の山車が待っていると、お神輿の宮入りです。まず門前で鳶の人達の「木遣り」が声高らかに唄われ、三本締めの後、いよいよ仲見世に大きく美しい神輿が賑やかに入ってきました。と同時にお囃子の太鼓は打ち始め、あたりの群集の歓声とともに最高潮の時がやってきました。ちょっとここで鳥肌が立ちました。ぼくでも江戸っ子の遺伝子がふるえたからでしょう。もの凄い人出でしたが、どこかお祭りの粛々として清らかな気分が横溢して、こういう盛り上がり方ならいいもんだなァと思いました。
  提灯のともりそめたる祭りかな 万太郎