吉田五十八の「リーチバー」

osamuharada2006-04-21

京都でお花見を堪能したあと、足をのばして大山崎山荘美術館へ行きました。期待していたバーナード・リーチ濱田庄司らの民芸作家コレクションは、2級以下の作品ばかりでちょっとガッカリ。おまけに英国チューダー様式山荘にくっついている半地下の、ぼくの嫌いな安藤忠雄設計のコンクリ打ちっぱなし新館(「地中の宝石」と銘打ってある)がダサいうえに、これまた嫌いなモネの蓮池(それも駄作ばかりを買わされている)を見るに及んでさらにガッカリ。外に出て本物の庭の花や木でやっと救われました。
こういう時には口直しとばかり、夜を待って大阪の「ロイヤルホテル」(現リーガロイヤルホテル)1階のLEACH BAR へ。ここは陶芸家バーナード・リーチの発案で、ぼくの好きなほうの建築家吉田五十八の設計によるバーです。モダン数奇屋の五十八がここでは和風ではなく、英国人リーチをたてて、英国コテージ風のインテリアデザインに徹しています。それでもよく見ると吉田五十八らしさが十分感じられて素晴らしく、ほんとうに居心地の良い空間です。ここは何度来てもいいなァ。英国式モダン数奇屋造りとでもいうべきか。渋くて落ち着いて、しかも男らしい。40歳以上の人向けのBARですね。
籐の壁には、リーチ以外にも濱田庄司ら民芸作家の作品が飾ってあって、これらは作り手の愛情があふれる1級品揃い。バーカウンター前のレンガ壁には、開店当時のまま鉄のフックに無造作にリーチと濱田のビアジョッキーが仲良く交互にずらっとぶら下がっている。民芸というものはこうでなくちゃァね。美術館で見るよりずっとよく似合っていますよ。
写真は去年リーチバーの開店40周年を記念して、そのレンガ壁の左から2番目に掛っているリーチ作のビアジョッキーの型を、濱田窯で限定リプロダクションしたものです。バーテンさんと話しているうちに、去年の余りがまだ少しあったという話を聞いて見せてもらい、迷わず買いました。これからおおいに使わせてもらいます。