蝋梅

osamuharada2006-02-14

島の友達を訪ねたら、庭にいい香りで咲いていた蝋梅があったので、頼んで一枝切ってもらいました。たったこれだけの枝でも、リビングの小さい部屋に置いてみると強い芳香が満ちてきます。普通の梅も好きだけれど、蝋梅の下向き加減に咲く、この黄色いワックスで作られたような花と蕾は、昔から格別に好きな花なのです。中国の故事に好文木と呼ばれている、白梅紅梅の香りが、どこかに知性を感じさせる香りなのに比べて、この蝋梅の芳香は、どこか春を待つ中国美人のような感じがしてきます。現代美人なら、もちろんチャン・ツィイーという事に(勝手ながら)なるのであります。
壁際に並んでいる本は、建築家ミース・ファン・デル・ローエの作品集と、彫刻家アリスティド・マイヨールの簡略な作品集、それにアレキサンダー・カルダーの動く彫刻集です。偶然ここの前に蝋梅を置いてみたところ、どういうわけか香りとともに春めいた感じがしてきたので、そのよき所を得たるかな、と一人で悦に入ってデジカメでパチリでした。