トートバッグ

osamuharada2005-05-09

男の自由業で気楽なところは、年中ラフなかっこでいてもOKなことです。法事でネクタイを締めることがあるくらいで、ぼくはいつも職業年齢不詳のいい加減な風体をしています。とくに昔から怪しまれてしまうのは、どこへでもトートバッグをぶら下げて持ち歩いているせいだったと思います。最近は男子学生さん風も持ってくれるようになりましたが、まだぼくと同世代のオヤジ達にまでは普及していませんね。ぼくの場合は個人的にトートバッグが好きな他に、オサムグッズで沢山のトートバッグをデザイン製造していたこともあって、色々なバッグをサンプルとして集めているいるうちに、自分でも使うことになったようなわけです。商売柄と言えなくはありません。ただし自分で描いたキャラクターが付いたものだけは(いくらなんでも)持ちませんよ。トートバッグは丈夫な帆布を使ったものが一番で、古本屋巡りなどの買い物には最適なのです。海外旅行では立派なバッグを持つより、ビンボーそうなトートバッグのほうが狙われません。というわけで何十年も愛用して、普及活動?にあい努めてまいりました。
この写真は、20年くらい前に手に入れた、イギリスのマスタード屋さん「コールマン」のトートバッグです。ぼくには懐かしい缶のパッケージをそのままプリントしたものです。輸入品パッケージは「オサムグッズ スタイル」のエッセイ228頁で暴露?した、ぼくのデザインのルーツでもあります。実は、ぼくの実家が築地場外市場の輸入食料品の卸商であったというだけのことなのですが。子供の頃、店の棚にあったこのコールマンの黄色い缶もまた大好きなデザインのひとつでした。今でもこの缶(瓶詰めは違う)は昔と同じデザインのまま明治屋などで売っていますね。このトートバッグのほうは、うすい布に全面プリントをして、その上に厚めの透明ビニール・コーティングが施されています。かつてこれを参考にして、オサムグッズでもビニール・コートのトートバッグを沢山つくりました。本文の147頁の赤と黒の大きな水玉柄や、206頁の星の柄のテキスタイルもぼくがデザインしました。雨に濡れても、海水浴にも便利です。そして思いっきり派手な色使いが、ツヤツヤのコーティングには合っていると思いました。トートバッグはやっぱり派手なものがいいですね、また作ってみたくなりました。今度は別に自分でも持てるようなデザイン(派手だけど老人用)もやってみようかな。