ゆく年くる年:半世紀前

osamuharada2015-12-31

50年昔といえば、ヤツガレも美大のデザイン科(いまやパクリで有名校)の頃です。アメリカンポップスで育ったような十代でしたが、《1965年》は、ビートルズブームの到来で、ヒットチャートも英国調に様変わり、こちらが聴く曲も変化しつつある頃でした。ビーチ・ボーイズの【 CALIFORNIA GIRLS 】のような米国青春モノもまだ流行ってはいたけれど、この年、ビートルズの【 HELP 】や【 YESTERDAY 】【 TICKET TO RIDE 】【 I’M DOWN 】 【 DAY TRIPPER 】【 WE CAN’T WORK IT OUT 】などが次々とヒットして、英国からの新しい波がやってきていた。ローリング・ストーンズなら【 (I can’t get no) SATISFACTION 】ですね。どことなく戦後イギリスの「怒れる若者たち」世代の雰囲気を帯びたロックが主流になりました。アメリカ側でも、ボブ・ディランがアコースティックからエレクトリックギターに持ちかえて、かの【 LIKE A ROLLING STONE 】や【 POSITIVELY 4TH STREET 】で反骨精神を謳いあげ、バーズはディランの【 MR.TANBOURINE MAN 】をカバーしてヒットさせた。ママス&パパスの【 CALIFORNIA DREAMIN’ 】も懐かしく、ライチュアス・ブラザーズが【 UNCHAINED MELODY 】をヒットさせていた年。この前年にはケネディ大統領暗殺があり、かつてのアメリカンドリームは消え失せ、ベトナム戦争は北爆開始で混迷が深まっていった。スプリームスの【 STOP! IN THE NAME OF LOVE 】が好きだった。キング牧師公民権運動、盛んなりし頃でもあった。
明けて《1966年》は、ヒッピ―時代の始まる頃だったかな。ビートルズは 【 YELLOW SUBMARINE 】【 PAPERBACK WRITER 】【 ELEANOR RIGBY 】などが大ヒット。ぼくがハマっていたボブ・ディランは【 JUST LIKE A WOMAN 】【 I WANT YOU 】 など、アルバム『 ブロンド・オン・ブロンド 』からのヒット曲が続出したが、日本じゃ一向に流行らなかった。というより誰も知らなかった。サイモン&ガーファンクルが【 THE SOUND OF SILENCE 】を静かに歌い、スプリームスの【 YOU KEEP ME HANGING ON 】、英国ダスティ・スプリングフィールドの【 YOU DON’T HAVE TO SAY YOU LOVE ME 】が胸に迫った。ヤツガレはやっとハタチになり、とにもかくにも退屈な日本脱出を夢想していた頃でした。さて、大晦日の紅白は今日が最後の森進一(歌手生活50周年)だけ聴けたらよし。あとは半世紀前の洋楽懐メロをYouTubeで勝手に聴くことにいたします。良いお年を!