よいこのオリンピック

osamuharada2015-10-11

勝ち負けがあるスポーツ嫌いとしては、我慢に我慢をかさね覚悟のうえで孫の運動会につきあった。しかしまだ幼稚園児では、勝敗よりも、思いっきり身体を動かすことのほうが嬉しいらしい。これぞ「 勝つことではなく、参加することに意義がある。」という、本来のオリンピック精神なのではあるまいか。これなら過剰に応援する必要もないし、安心して子供の成長ぶりを眺めていられる。開始時間より早めに着いたら、孫はたちまち裸足になり、友達とグラウンドを全速力で走りまわりはじめた。
「よいこのオリンピック」とは器械体操のことで、ネーミングが気に入った。年長組の孫は8種目に出場した。なので撮影係を仰せつかったヤツガレも休むヒマはない。ダンス種目では、何故か「沖縄エイサー」を踊っていた(勝敗はなし)。太鼓に民族衣装のコスチュームが皆よく似合う。自然の手振り身振りで誰もが上手に踊れるとは、同じ海洋系縄文人(持論ですが)としての血が騒ぐのだろうか。以前、この幼稚園では「よさこい」を踊っていたこともあるそうだ。幼稚園にも多少の流行はあるらしい。来たる2020年 大人のオリンピックのほうでは、やはり「東京五輪音頭」を大人全員で踊っていただきたいもんだな。
よいこのオリンピックには、さいわい巨額の巨大競技場も、パクリエンブレムの商標権も、日の丸の国威発揚も必要ない。天気さえよければ、子供たちは土のグラウンドを裸足のままで疾駆する。最後は全員にもれなく金メダル(プラスチック製)が配られた。等級は関係なく「よくがんばりました」と銘が入っている。孫は記念メダルに興味をしめさず「ちょっとコレ持っててくれる」と言って放り出し、帰宅時間まで再びグラウンドを全速力でひた走るのだった。