風刺漫画家 Siné

osamuharada2015-07-01

伝統的なフランスの風刺漫画家 Siné(シネ)は、今年で87歳になるはずだけど、その毒舌ブリはまだまだ現在進行形のようです。もとよりあのレーモン・クノー著『 地下鉄のザジ 』にイラストを描いた人でもあるし、そうとうな意地悪じいさんになっているだろうなと思って調べてみたら、やっぱりやらかしていました。
今年はじめ、イスラム過激派による、パリ銃撃事件で漫画家の四人が殺された雑誌『 CHARLIE HEBDO シャルリ・エブド』 にも、シネは2009年まではずっと風刺漫画の連載をしていたのだそうです。しかし雑誌をやめた理由がすごい。当時フランスのサルコジ大統領(ユダヤ人)を揶揄するネタで、ユダヤ勢力から脅かされ、ひよったシャルリ・エブド編集部から謝罪するようにと勧告されたところ、シネおやじは「あやまるくらいなら、俺のキンタマちょん切ってやるぜ!」と、謝罪拒否してクビになりました。それでもめげず逆に裁判にかけて勝訴。相手から9万ユーロだか勝ち取ったという、筋金入りの風刺漫画家なのでした。そして自ら『シネ・エブド』なるものを立ち上げて対抗している。かっこいい爺さんだよなあ。百歳まで頑張ってほしいです。
それにしても『シャルリ・エブド』は、反イスラムで襲撃されたんだから、一応は「リベラル派」なのかと思い込んでいたが、結局は反イスラエルではなかったわけね。ユダヤにだけは屈してしまった。これじゃ「言論の自由」などいう資格はまるでないでしょ。シネは、ユダヤ教徒イスラム教徒とキリスト教徒が、三つ巴になって殺し合っている漫画も描いていますよ。おまけにシネの父親は、ばりばりのアナーキストだったよし。
私的写真ノートにも、いくつか Siné 保存させてもらいます。有名なシネ猫も。→ http://osamuharada.tumblr.com/
前に書いた Siné → [id:osamuharada:20131027] [id:osamuharada:20141226]