新茶の季節

osamuharada2014-05-15

煎茶ファンにだけは嬉しい、「新茶」の季節到来。毎日その爽やかさを楽しんでいます。今年はいつもの鳥取県産、鹿児島県産よりも、熊本県産のもので(個人的に)気に入った素晴らしい新茶が出ました。阿蘇外輪山の南麓や、宮崎・熊本県境の矢岳高原など、霧深く高地にある茶園でつくられた新茶。古式の釜煎り茶「矢部茶」も旨い。ワインと同じで、畑の土の特質と気候に左右される。手間ひまかけて仕上げる、高度の製茶技術もまた重要ですね。
煎茶は、〈苦味〉〈渋味〉〈うま味〉〈甘味〉の四つのバランスが肝心だという。ぼくは〈うま味〉と〈甘味〉がやや勝ったマイルドなものが好みです。さらにそこへ新茶の清涼さが加わると、神聖なる一服、とでもいうべき風格が生じる。と思うわけでますます煎茶にハマってしまいましたよ。文人墨客の愛飲したことがよく理解できる。精神浄化のための飲料とでもいうべきかな。
といっても、もちろん自然栽培や有機栽培のものに限りますよ。近頃は人気があって、すぐに買い付けないと手に入らなくなるようです。 トラクターを使ったような大量生産の茶や、大量の農薬や化学肥料、防虫剤などをふんだんに使ってできた茶はゴメンこうむりたい。なにしろ茶葉にDDTなんかを平気で撒いていたのですから。これまた農協が元凶なのでしょうね。さらにこれら大量生産の茶は、各地の茶葉をブレンドして人工的に味覚を調整するので、まったく自然の茶の〈うま味〉が欠如しているのです。
本物の旨い煎茶を喫すると、もうArtificalとしか言えないペットボトルや缶入り茶などは論外でしょ。喉が渇いたら水を飲めばすむ。さらに残念でならないのは、いまや日本最大の生産地である静岡県産の「やぶきた」や、埼玉県産「狭山茶」が飲めなくなったこと。あくまでも個人的なこだわりです。個人的理由とはコレ→[id:osamuharada:20110821]です。
余談ながら、話題のマンガ「美味しんぼ」騒動については、国家が〈言論・表現の自由〉を奪っているとしか思えないのですが、まさに憲法21条違反ですよ。そこまでして内部被曝を隠したいのかと逆効果になりましたね。騒げば騒ぐほど人々が感心を持ちはじめる。さもあらばあれ、飲食だけにはくれぐれも気をつけていましょう。