アジサイの花

osamuharada2012-06-25

梅雨の晴れ間の散歩で、今年もまたウルトラマリン・ブルーの花を摘んできた。世界中すべての紫陽花の原型である、ガクアジサイの花。太古の昔から日本の黒潮暖流沿岸に自生している。
額紫陽花では、周囲の花びら状のものは萼(がく)というもので花ではなく、真ん中にかたまっている小さな群青色の花々が、ほんとの花なのですね。ぜんぶ咲くと小さな青いブーケのようにも見えてくる(写真はまだ咲き始めたところ)。 目をこらすと、ちゃんと雄シベ雌シベもついている。そしてフツーに結実する。外側で薄紫の花のような顔をして並んでいるのは、装飾花ともいうそうです。昆虫を惹きつけるための看板のような役割らしい。ほんとの花のほうは小さ過ぎるし香りもない、それに群青色では葉の濃緑に埋もれて目立たない。それで客寄せの派手な看板が必要なのでしょうが、ちょっと回りくどいというか不思議な花じゃないですか。ずる賢いのか、奥ゆかしいのか、どっちだろ。
生物学にくわしい赤勘兵衛先生(→[id:osamuharada:20080717])に電話して聞いてみたが、何故そういうスタイルになったのかは不明なのだという。何やら謎めいているところで、かえってぼくは額紫陽花が好きになるな。机上にて、ルーペでゆっくりウルトラマリンの花を眺めるのが趣味です、といったら変人扱いされそうだけれど、群青の色彩そのものが抽象画を描く際のインスピレーションになるわけよね。去年書いた[id:osamuharada:20110904]→ウルトラマリンの話。抽象絵画というものも、謎を謎のままに描くほうが面白いことだけは確かだと思う。イラストなら何かを図解しなくちゃ商売にならないけどね。