銀座異聞

osamuharada2008-12-22

去年の銀座は古書の「奥村書店」が閉店。(id:osamuharada:20071004) 今年は数寄屋橋の「旭屋書店」がなくなり、これでぼくの好きなゆきつけの本屋さんが銀座から消えちゃった。また今年、日比谷のレストラン「香味屋」が閉店。4丁目の「みかわや」はビル建て替えで、あの古い木造二階家は壊され、銀座界隈で大好きだった洋食屋さんが二軒も消えた。古くから馴染みだったお店が町から姿を消すのは、ほんとに淋しいもんですね。
新しい銀座は、外国ブランドの洋服屋とカバン屋、靴屋に宝石屋ばかりになってしまい、オノボリさんとOLが買い物する町にすっかり変貌してしまった。つい今年の夏までは、中国からの成金団体さん御一行がブランド屋に殺到していたみたいだが、秋のリーマンショック以来、トンと足が遠のいたようだ。  銀座通りは京橋寄りの1丁目から4丁目に到るまで、高額暴利の外国ブランド店がズラリと軒を連ねているのだが、秋頃から町に異変が起きたのは、4丁目から新橋寄りの8丁目にかけての方角。安売り洋服屋が軒並みにオープンしたため、4丁目の地下鉄銀座駅から、いままではあまり銀座で見かけなかった風体の人々が、ゾロゾロ這い出て来て8丁目方向に向う。すでに5丁目には、中国極貧地区製造の直輸入専門ユニクロという安売り屋ができていたけれど、秋にユーロ圏の安売り服チェーン店が進出するに及んで、さらにこの方角は貧乏くささに拍車がかかったようだ。どうせなら、8丁目と新橋間にある新橋センター(高速道路下:現「銀座ナイン」)の、ホステスさん御用達の洋品洋服屋街までお買い物にいったらどうでしょうか。素敵なドレスは、ついでに仕事着として、そのまま新橋のキャバクラなどでバイトして、稼いでから帰れるから効率がいいと思うんだけどね。 それから、つい先週はルイ・ヴィトンが銀座の大型店舗出店計画を、途中でもう、儲からないからヤーメたッ!というニュースがあった。すでに建築中のビルで、1階から10階までが東洋一の巨大カバン屋になるはずだったが、日本での売り上げが去年より7%減ったため見捨ててしまったらしい。 不思議なのは、銀座通り8丁目に、世界最大のプライベートバンク香港上海銀行窓口が夏にできていたことだ。もっとも歴史をふりかえれば、銀座は明治以来の植民地商店街だから、不思議でもなんでもないんだった。しかして銀座、ゆく年くる年よ。