コラージュの手帖

osamuharada2007-11-09

群青色の本革表紙がすごく気に入って買った、手漉き水彩画用紙の小さなスケッチブック。文庫本くらいのサイズ。しかし写生に出かけるつもりなどは無いことに、後で気がついた。つまりただのジャケ買いですね。東京の仕事場の引き出しの奥にずっと眠っていたのを、島のアトリエに持ってきたら、前からコラージュで使っていた布や印刷物の端切れの、そのまた余りの小切れが沢山残っていたのを使って、小さなコラージュができることに気がついた。糊と、はさみ、ピンセットがあれば場所はとらない。5分でできちゃう。日記帳をつけるような感じで気楽に描き始めてみたら、それが面白くなってきて、ちょっとこの青い手帳にハマっています。
おそらくこの写真をご覧になっても、ナンなのコレ、と思われるだけでしょうが、日記はそもそも自分自身の心覚えのようなもんだから、コレでいいのです。完成させる必要もないし、イラスト稼業とは違って、人さまに理解されて成り立つものでもない。それよりも人畜無害で、しかも廃物利用という点では、只今流行のエコ!であると威張ッたっていいくらいなのである。 コラージュは、仏語でパピエ・コレと呼ばれたピカソやブラックの時代から始まり、もうすぐ百年になる表現様式ですね。じきに古典的な描法の一つに入ることでしょう。ぼくは中学生の時分からコラージュをやっているので、今や伝統芸術保存協会員みたいなもんでしょうか。若い頃からコラージュで私淑していたのは、北園克衛、クルト・シュヴィッタース佐野繁次郎ロバート・ラウシェンバーグ。 これも老後の愉しみだね。