天神さんの梅

osamuharada2005-03-02

寒い、寒い、京都へ行ってきました。寒いでもなんでも二度繰り返しいうのが京都風。月並みながら梅見はいつも北野天満宮です。丁度今が見頃で、濃い赤から桃色、うすいピンクまでの紅梅も咲きそろって、すでに満開の白梅もあり、かなり全体派手な雰囲気です。梅見客の人出も大入り満員御礼で、特にオバサンの関西しゃべくり連中も満開。神社の入り口には「犬のさんぽおことわりします」と巨大な立て看板あり(こんな混んでるのに散歩どころじゃないだろ)。いつもこの時期に来るとたちまち後悔するんだけれど、ぼくにはひとつ特別好きな遅咲きの白梅があるので来てしまったのです。天神さんの境内に入って神殿の右側横道に一本独立して植わっている白梅の古木。白いつぼみがコロコロとまん丸で、ガクは鮮やかな若草色、小枝も先のほうは同じく緑がかっているのが特徴です。離れて見ると純白に淡い緑色のみずみずしく、寒中に凛として香りも高い。枝ぶりも絵になるいい姿で、背は高くなく横にたっぷり張り出して宗達の扇面図のよう。特に二分咲きくらいの白玉が多い時が格別です。今年は丁度それに間に合った、コレさえ見たら後はいい。やはり梅はこういう白梅に限るな、それもできたら侘びた山寺などで見る方がずっといいし、そこで一人老いて煎茶など飲みたいもんですな、と老人趣味は止めどなく。ぼくの白梅にだけは別れを惜しみつ、また来年間に合うかどうかはわからないので「あるじなくとも春をわするな」と道真を気取ってみたようなわけで・・。