青春怪談のさしゑ

osamuharada2009-02-20

本日より「宮田重雄さしゑ展」始まります。 昭和二十九年(1954年)読売新聞に掲載された新聞小説獅子文六著『青春怪談』のための挿絵原画がメインで、右のように並べて25mほどあります。 これはなんと55年も昔の作品なのです。ぼくが8才の頃ですから、この新聞小説を読んでいた当時の大人たちは、とっくに喜寿を過ぎておられることでしょう。 原作はすでに絶版ですが、図書館か古本でお探しください。大ヒットした当時の現代ユーモア小説。しかし今の人が読んでもまったく新鮮で、とにかく面白すぎる小説ですよ。 読んでから見ると、さらにいっそうこの挿絵の優れていることが、おわかりいただけるでしょう。コレは必ずハマります。 他に、獅子文六原作では『自由学校』『箱根山』『可否道』などのスケッチや下絵、源氏鶏太『流れる雲』安藤鶴夫『ある日、その人』の挿絵原画など。枚数も多いので、ごユルリとご鑑賞ください。会期中ぼくは毎日出勤して、スケッチ類の整理など楽しみながら続行しております。嬉しいことに沢山あり過ぎて、まだまだ終わらなかったんですよ。なので気軽にお声をかけてくださいね。 絵をユックリ眺めていると、半世紀前の日本はまだ貧しかったはずなのに、現代よりも明るく希望に溢れた時代だったんだなァとつくづく思います。いまなお精神の豊かさを感じさせる宮田重雄挿絵の数々、是非お楽しみください。