椿とメジロ

osamuharada2009-02-04

晴天の冬座敷、窓をあけはらって、周囲に咲きはじめた椿に目をやると、四六時中、元気いっぱいのメジロ仲間が忙しくやってくる。鶯色に目のまわりだけの白色が何とも愛くるしい。島の陽射しは暖かく、どこまでものどかなる一日であります。こういう時には、赤勘兵衛著『鳥の形態図鑑』をひもといてみる。《 春早く、ヤブツバキが枝先に赤い花をひらくころ、眼先から額にかけて花粉で黄色くなったメジロをみかけることが多い。メジロは、花の蜜をたいそう好む》とあります。いいねェ可愛いよなァ。 さらに《 メジロが花から花へと飛びまわると、花粉がめしべに受け渡されて受粉がおこる。メジロは蜜を得る代償として、花粉を媒介してまわる》、なるほどね、うまくできてるな。 そして《 ヤブツバキのように、鳥に受粉の仲立ちをしてもらう花は、鳥媒花(ちょうばいか)とよばれている》、そうだったのか、どうりで島には天然の藪椿とともにメジロもまた多いわけだ、と初めてその理由がわかりました。お互いに持ちつ持たれつなんだね。 それにしても勘兵衛先生描くメジロの絵は、実によく描かれていて素晴らしい。動いてじっとしていないメジロの形態が、この図鑑ですごく解かりやすい。 《 翼の形は、扇形で、腕が短い「短腕・扇翼」。このような翼は、さまざまな飛び方に対応できる。メジロは、花の蜜を吸うさいに、とまりやすい枝がないときは、ホバリング(停空飛翔)をおこなう》、それでああやっていられるのか。いちいち納得しちゃうな。そして勘兵衛先生からじかに教わった鳥の『聞きなし』、メジロの「長兵衛、忠兵衛、長忠兵衛」を、タップリと楽しませていただきました。こういうのを日々是好日というのでしょう。
鳥の聞きなしについては (id:osamuharada:20070622)
勘兵衛先生の図鑑(id:osamuharada:20080717)
芸新コラムにも書きました(id:osamuharada:20080929)